広告ウーマンっていうブログに、とってもステキな記事が載っていました。
最近は色々な新卒の広告営業ウーマンとお話することが多くなってきました。
話の流れで「どうして広告業界を志望したの?」
っていう話になって、そのコが答えたのは、
「広告でいろんな人の人生って変わると思ったから。」
それを聞いて、なんだかステキだなぁと思って、紹介しました。
まさしく同感です。
この記事に、僕は励まされると同時に、
ちょっと昔のことが記憶によみがえりました。
僕にも似たようなことを言われた経験があるのです。
僕の古くからの友人でインド音楽の分野では、
すでに第一人者になっている逆瀬川健治さん。
彼が長野にやってきたとき、
いっしょに温泉に行ったのですが、
けっして手を湯船につけようとしません。
理由は、手がふやけるとタブラの音色が変わるから。
その求道僧のようにストイックな、
表現者として一途に歩む姿勢は、若い頃から、
ずっと一貫していて、尊敬できる友人です。
そのとき僕は、彼の生き方をうらやましく思い、
コマーシャルビジネスにいるじぶんを卑下したような、
そのような感じのことを彼に言ってしまいました。
ちょっと仕事面で落ち込んでいた時期でもありました。
すると、彼から意外な言葉が返ってきました。
「コピーライターという仕事は、いろんな人に影響を与える責任の重い仕事だよ」
ふっと水を浴びせられたようでした。
仕事に馴れてしまい、そういう視点を忘れていました。
広告ウーマンさんの記事にもあるように、
「人生を変える」ことだってあるのが広告です。
広告の中のたった一行の文章が
だれかに小さな希望や勇気を
あたえることだってあるのです。
手前みそですが、かつて(1990年頃)戸隠の観光ポスターを手がけ、
戸隠神社の奥社に通じる杉並木の写真を背景にして
そのキャッチフレーズとして、
「人は…人に帰りたい」と添えました。
これは首都圏の駅構内にも貼られ、
話題になるとともに、20年ぐらいたった後でも、
「あのポスター、覚えているよ」と言われました。
スピリチュアルブームが起こるずっと前です。
広告は誰かの人生にちょっとだけ影響を与えるかもしれない。
広告づくりを仕事にするなら、このことを
「いつも忘れず、大切にしたい」と改めて思いました。
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