大きいことはいいことばかりじゃない

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広告畑出身のデザイナーは、広告物のなかで使用する書体に対してはかなりこだわる。タイポグラフィックというものが、ひじょうに重要であることを認識しているからだ。ところが、WEBしか手がけたことのないデザイナーは、この書体に対する認識が甘いように思う。あくまでも一般論ではあるけれど、MacintoshかWindowsかという制作環境の違いも大きく左右してはいるけれど、どうもシステム系のWEBデザイナーたちは、アプリケーションの表現技術で解決しようとする傾向がある。
新聞広告であれ、チラシであれ、WEBであれ、メディアは違っても、メッセージの希薄なデザイン表現はNGだ。伝えたいことは何か。そこをしっかりと把握してから、表現に臨まなければいけない。そのツボを押さえられる、すばらしいWEBデザイナーもいるにはいる。
でも一般的にWEBしかやったことのないWEBデザイナーは、広告のイロハを知らない。逆に広告デザイナーはWEB上のプログラムやきまりごと、制限のことをよく知らない。僕は、広告畑出身なので、デザインは広告屋さん、コーディングはWEB屋さんという手法をとることがある。手間がかかって面倒くさいけれど、そのほうがうまくいくことが多いのだ。特に、広告なれしたクライアントさんの場合、そういうタッグを組まないと、とんでもないことになる。
僕はディレクターだから、そういうWEB制作のスタッフを組み、そのゴールを方向づけるのが役割だ。広告畑出身、コピーライター出身だから、WEBに対する取組み方がシステム系のWEB会社とは違うと思っている。
システム系のWEB制作は、最先端のIT知識を持っているから、システム構築とあわせたWEBサイトの場合は、だんぜん有利だ。もちはもち屋という諺があるけれど、お互いのいいところを認め合って、協力していくことが必要だ。あたりまえの結論だけど…どのような業種でも最初は小さな範囲で評価を獲得していって、やがて企業規模が大きくなるにともなって総合力を売り物にしていく。そうすると、どこかで、何かが犠牲になっていくんじゃないかな。

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