電脳空間で、頭に入りやすい文章

Web論
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 僕は、インターネットの世界にその黎明期から関わってきました。Windows95が出て、インターネットにつながることが簡単になり、世の中に普及し始めたんですが、それ以前のWindows3.1なんていう時代にカメレオンというTCP‐IP接続ソフトを使って通信していました。そもそも、MS-DOSというOSが主流の時代に、パソコン通信、Niftyserveや草の根BBSなんてところにアクセスしていました。過去の古い話ですよね。古ければいいってもんじゃありません。ただのおやじのつぶやきなんですが…少し聞いてください。

 電脳空間では、テキストの基本は横書きです。パソコン通信では、テキストがメインですから、会議室やフォーラム、いまの2ちゃんねる的なところで、メンバーたちがハンドルネームを使って交流していました。チャットという現代のLineみたいな仕組みも当時からあって、リアルタイムにテキストだけで対話していました。当時はまだパソコン通信をやってる人は少数派でしたから、ちょっと意識高い系の紳士淑女が多かったように思います。Niftyserveの会員が20万人を突破したといって喜んでいた時代です…。
 ついつい思い出話にそれてしまってごめんなさい。そうそう、テキストの話です。ネット空間では、横書きのテキスト表示が基本です。これは、いま、当たり前に感じているかも知れませんが、日本語文化のなかでは、歴史がとっても浅いのではないでしょうか。

 パソコン通信の2バイトの日本語文字は、ディスプレイに映し出され、スクロールされ、眼前から消滅していきます。僕はこの文字たちの動きが、まるで滝のようだなという印象を持ちました。…と、ここまで、これまでの当ブログの書き方で綴ってきました。

ここからは、ちょっと違う書き方をしてみます。

アメブロやはてなブログを見ていると…

ほとんどのブロガーが、短いセンテンスで改行や段落分けをしています。

ひと呼吸しながら、文章をつないでいくような感じです。

アナログ的な文章作法でいくつかのセンテンスをつなげ、
文脈の区切りで段落分けをするのと、
句点(。)や読点(、)ごとに改行や段落分けをするのと、
電脳空間での印象はかなり変わってきます。

先ほどパソコン通信での文字たちが滝のようだと表現しましたが、
現代ブログの主流の書き方による文字たちは、
まるで驟雨(しゅうう)のようです。

ポツリ、ポツリと降ってくる文字たちは、
でも、意外とすんなりと頭に入ってくるのです。

日本人は縦書きの文章のほうが頭に入りやすく、横書きだと記憶にとどめにくい、と指摘する方もいるようですが、それはもう過去の話かな?僕はまだ前者だけど。

電脳空間での歴史が長くなった日本人が、
ネット上でも伝わりやすい横書きの作法として、
このような書き方を編み出したのではないでしょうか。

日本語は、この瞬間も生きて、進化し続けています。

 

 

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