お次は、戸隠にて神殿舞踏

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毎年、8月18日は、戸隠神社の火之御子社のお祭りなのである。この神社は、アメノウズメノミコというダンスの神様をまつっている。縁あって、僕の先輩である高橋実氏が数年ほど前からここで舞踏を踊ることになった。今回で確か4回目になるはず。奉納ゆえ、舞踏公演でありながら、入場は無料である。例年、バークレー出身のサックスプレーヤーとパーカッショニストが音楽を担当していたのだが、今回は、海外公演が入ったため、たいこ奏者ひとりのみの参加となった。それでも、戸隠の空気感の中で、踊り手が3人、たいこという原初的な響きとどうセッションしてくれるか、それはそれで楽しみである。音楽アーティストの飛び入りセッションも歓迎とのこと。舞踏とのアドリブ競演を楽しみたいプレイヤーは、ぜひ!(ただし、事前に連絡くださいね。)

踊り手の高橋実氏は、暗黒舞踏黎明期のひとり笠井叡氏に師事し、もう20年以上も舞踏をライフワークとしている。表の顔は、吉祥寺でからだハウスという整体サロンをやっており、さらにブレスワークというワークショップも毎月開催している。

僕と高橋氏とのつきあいは古く、大学の演劇研究会に僕が入部したとき、高橋氏は会長を引退した4年生であり、いっしょにクラブ活動をしたことはない。だが、現役会長の倉掛淳一氏を介して、なぜか、どさくさな交わりがあった。高橋氏は、学生でありながら、ちょっとした有名人ではあった。唐十郎や寺山修二の舞台に飛び入り出演したり、嵐山光三郎と交流があったり、僕にとってはわけのわからないアングラな有名人の名前が高橋氏と対で語られたりした。飄々としていて、それでいてエネルギーを内包していて、カリスマ性のある先輩だなと思った。渋沢龍彦とか埴谷雄高といった作家の存在は、高橋氏→倉掛氏を通して知った。高橋氏は、存在そのものが純アングラであり、政治的な傾向のある先輩たちとは一線を画していた。

その後、高橋氏は、演劇ではなく、舞踏の世界へ行き、さらには、身体性への興味から整体を生業とした。実に、納得のできる流れだと思った。

まぁ、アングラですから、好き嫌いはけっこうあろうかと思います。でも、僕は好きです。戦後の日本のカルチャーで、外国の真似ではなく、オリジナルな表現スタイルとして新たに創出できたものは、この暗黒舞踏と漫画くらいではないか、と個人的には思っています。本物の舞踏です。奉納ですから、みなさんボランティアで東京からやってきます。一回限りの公演、時間も夜の7時から気の流れるまま、1~2時間くらいは踊ります。無料です。初めての方も、ぜひ、この機会にどうぞ。

神殿舞踏その十(大地篇)

夕哭」

ところ:戸隠神社 火之御子社

とき:2008年 8月18日 月曜日
開演:PM7時~

舞踏:高橋 実、兼盛雅幸、兼盛明日香

たいこ:中川 健

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