社会保険庁と自治体の職員が年金保険料など総額約3億4300万円横領していた問題について、舛添要一厚生労働相がテレビで淡々と怒りを露に発言していた。
この新大臣の言動は刑事告発や処分のことまで口にしていて、これって、普通に僕らが喋っている言葉といっしょじゃないか、と思った。
イケナイことをしていた役人から、退職金どころか財産家屋を没収したり、犯罪者なんだから牢屋に入ってもらったり、なぜ、そんな当たり前のことが、当たり前に行われないんだろう。そういう処分の方向性を大臣がハッキリと言えないんだろう。つねづね不思議に感じていた。
大臣になると、調査します、善処します、とか差しさわりのない言葉しか口にできない輩が多くって、そりゃ、責任のある立場だから、あまり具体的なことを言うと、できなかった場合の責任問題になるから、および腰になるんだろうけどさ。今回の件で、なんだ、大臣ってのは、やる気になれば、いろいろ言えたりできるんじゃないかって。
それと、何を言ってるか、はっきりわかるっていうのは、いまどきの政治家として、とっても大切な資質だな、とあらためて思った。前の小泉クンは、その内容はさておき、発言は明快だったように感じる。だから、共感者が得られる反面、反発者からの反動も激しい。
いまの総理は、そういう意味では旧タイプによくいた政治家。発言自体に具体性が乏しいから、けっきょく何をしたいのかが伝わらない。「美しい国」というイメージは抽象的過ぎて、これを共同幻想にまで高めるのは至難のわざ。小泉クンの「郵政民営化」なんて、あまりにも明快。「改革」というスローガンは具体性はないんだけど、「現状打破」という期待があって、野党の票まで巻き込んでしまったんだ。うまい、よね。
舛添クンの場合、マスコミにでるときは、すでに厚労省の官僚たちと議論をしたあとなのだろうか。普通の人が普通に理解できる言葉で、普通の正義を語ってくれるのは、当たり前のことなのに、政治家、しかも大臣が語っているという、この一点だけで、すごい新鮮!
ここまでは、素直に素晴らしいと拍手を送りたい。あとは、どこまで現場で実行できるか。官僚たちをしっかり抑えて、政治家として、いい仕事をしてほしいなぁ。
コメント
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