いまさらアナログには戻れないけど…

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ことビジネスに関して言えば、もうパソコンや携帯電話のない世界は考えられません。
自動車、炊飯器、体温計…日常生活のなかにもどっぷりとデジタルが浸透して、
ダメだしのように今年の7月からテレビのアナログ放送が絶滅します。
いつの間にか…
ゼロとイチがくるくると身の回りを巡っている世界に私たちは暮らしています。
これって、ここ30年くらいの急激な変化なんですよね。
生まれてからあたりまえのようにデジタルを体験している世代と
アナログから移行しながらデジタルを体験している世代とでは、
かなり感性レベルでの捉え方が違ってると思います。
僕の世代は、デジタル時代を切り開く最前線にいました。
20代の頃に、ワープロ専用機、ワープロパソコン通信、
Ms-Dos、アップルⅡという流れがあり、
将来デザイン業界ではパソコンによるデザインワークが主流になりそうだ、と。
僕は、数十人レベルの草の根ネットに参加して情報交換をしていました。
仕事仲間のみんながメールを使えるようになればいいのにね。
パソコンの日本語書体がもっと充実しなければダメだ。
ソフトバンクという出版社(!)の孫正義というのは、けっこうやり手らしいよ。
アスキーの西和彦のほうが一歩先を行ってるんじゃないの、とか、
まぁ、いまで言えばオタクっぽい会話が一部で盛り上がっていました。
ちょっと上の世代からは、胡散臭く思われ、やや白い目で見られてきました。
ちょっと下の世代からは、多少は頼もしく、でも中途半端な存在と思われたのでは…
この中途半端というのは、とっても当たっていると思います。
アナログの良さを知っていて、その良さを補完するためのデジタル。
僕らの世代は、基本的にはそのような視点に立っています。
すべての仕事の入口がアナログでしたから、デジタルは単なる道具です。
でもデジタルを入口にしている世代は、どうなんだろう?
自分で絵(ラフスケッチ)を描けないデザイナーなんて、
いまはたくさんいるんだろうな、きっと。
まぁ、いまさらアナログに戻って烏口を使え、なんて言いませんが、
デジタルはあくまでも道具ですから、道具に振り回されないように…、
それだけは、僕らの世代が口を酸っぱくして
言い続けなければいけないような気がしています。


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