本の帯が目に飛び込み、そこに吸い寄せられた。
タイトルは、地獄の季節。
作者の名は、アルチュール・ランボー。
なんて、へんてこりんな名前なんだ。
ぱらぽらと中身を立ち読みしたら、
どうやら散文詩のようだが、わけがわからない。
気づいたら、買っていた。部屋で夢中になって、読み終えていた。
その12歳の少年は、膝の故障が原因で、スポーツから遠ざかっていた。
レギュラーをめざしていた少年にとって、
自分の努力ではどうしようもない病気。初めての挫折。
体育館のコートから、バスケットボールは外へ転げ落ち、
その先に、小さな絶望の淵が待ち構えていた。
少年は、そこから戻ってくることもできたはずだ。
しかし、そうはしなかった。深淵をのぞき込み、
少年は、地獄を開く扉に、そのとき手をかけた。
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