月のひかり 【rough story 1】

スポンサーリンク

「わたし、満月は嫌い」
学生運動に関わっていたガールフレンドが、
夜空を見上げながら、ポツリとそうつぶやいた。
「他の星を見えなくするから…」
たしかに肉眼で見えなくても、そこには無数の星がある。
何万光年も旅をしてきた光が、目的地に着く寸前、
大きな惑星の反射によってかき消される。
当時、学生運動は終焉の時期。
僕は、顔を上げて、月の行方を探した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました