地 雷 【rough story 105】

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だれかと話をしていて、ひとつの言葉によって、
相手をひどく怒らせたりしたとき、地雷を踏んだという。
特に、目上であったり、社会的に地位の高い人と接するとき、
この地雷うんぬんが取り沙汰されることがある。
仲の良い相手であれば、地雷に相当する言葉を投げても、
それは、重い不発弾となって、もちろん爆発はしないのだ。
なに、言ってんだよ! と突っ張られたり、
うん、そうなんだよ… としょぼくれられたり、
どっちにしろ、ふたりは険悪な関係にまでは発展しない。
本音で言い合える関係は、むしろ友人の証しだろう。
そう、この地雷は、相手の急所をつく本音爆弾。
だから、距離感のある人であればあるほど、
地雷の爆破力も正比例して大きくなる。
エライ人の急所を突いたら、エライことになるわけだ。

僕の身近に、すぐ他人に地雷を投げる人がいる。
相手が偉かろうが、何だろうが、おかまいなし。
で、相手の受け取った反応で、その人間性が見えてくる。
確信犯的に相手を見るために投げるのではなく、
もう、ほとんど本能的に地雷を投げているようだ。
それを傍から見ていると、冷や冷やするのだが、
相手の冷たい本性が露わになってくることもあり…。
地雷の言葉は、人間性のリトマス試験紙。
初対面とか、それほど親しくない関係で、
地雷を仕掛けられ、その爆弾を受け取って、
平常心で優しい言葉を返せるような人は少ない。
でも、稀に、そういう人もいるにはいる。
不意打ちのような地雷でも慌てず動ぜず、
そういう人、そういう心、そうありたいと思う。

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