広告批評その他あれこれ

コピーライターは、ひらく ひらめく ひもとく

2014/04/23
 
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 いまの学生は、どのような仕事に魅力を感じるのだろうか。現代学生たちの就職意識など、いろいろ考える機会があった。
 僕の仕事であるコピーライターも、理解されているようで理解されていない。特に、地方都市においては、コピーライターになりたくても、その受け皿となる企業が圧倒的に少ないのが現状だ。コピーの仕事はこれからすごく重要になると個人的には確信(期待)しているのだが、世の中の人たちは、まだあんまり気づいていない(苦笑)(涙)。
 そこで、コピーライターの仕事を、いろいろな角度から紹介していきたい。今回は、たまたま散歩の最中に浮かんだ「ひらく」「ひらめく」「ひもとく」という言葉を使って説明してみよう。

 まず、コピーライターには「ひらく」仕事がある。すべての仕事には、始まりがあるが、そのきっかけは、人との出会い。最近は、ネットワーク上から始まりクロージングまで対面しないという例もあるが、やはり、一般的には、人とのリアルな出会い。じかに会って話をしたり、打合せしたり、時には討論したり、事務的に契約したり、人に会わなければ、きっかけも生まれず、そして、それからの物事も前に進まない。会社に所属するコピーライターは、この仕事を営業やディレクターにゆだねてしまうこともあるが、これはもったいないことだと思う。
 世界をひらいていくのは、人とのコミュニケーション力、出会っていく力だ。これは、どのような仕事でもいっしょだろう。ただ、ちょっとコピーライターが違うのは、クリエティヴな職人として、人と話しながら発想する能力「ひらめき」も求められることだ。
 人と話しながら発想して、アイデアをぶつける。ぶつけてみると、はねかえってくる。それをまた、発想のネタに混ぜる。打合せの最中に、決定的なアイデアが生まれることも多い。だから、コピーライターは積極的に打合せの現場に出るべし。

 このアイデアを生み出す「ひらめく」作業とは、より具体的には、コピーライティングの切り口とか、企画書のコンセプトを考えること。ひらめきを得る事前の仕込みとして、人と話したり、デスクで考える作業も必要となる。「ぼんやり」ではなく、集中して考える。あれこれメモ帳に殴り書きをする。発想をふくらませ、アタマを遊ばせる。僕の好きな釣りに例えるなら、大海にコマセを投じて、それからエサをつけた仕掛けを垂らし、アタリを待つことに似ている。いわば、大海は、マーケット。コマセは、セグメンテーション。仕掛けという戦略の先に、エサとなる言葉がぶらさがっている。
 仕掛けの一投目にヒットすればラッキーだが、なかなかヒットしない場合もある。そんなとき、散歩したり、お風呂に入ったり、「ぼんやり」していると、不思議に、アイデアがひらめいてくる。プロフェッショナルは、このようなリラックスする状況を意図的に生み出すよう意識している。

 最後に、このひらめきをカタチにするための、デスクワークがある。コピーライティングであれば、生の言葉をもとにキャッチフレーズとして磨きをかけたり、長文のボディコピーを書いたり。企画書であれば、資料を集めたり、説得のストーリーを構築したり。けっこう物理的な時間がかかる作業だ。これも釣りで言えば、釣った魚を、調理する作業に似ている。デスクならぬ、まな板の上のアイデアをどうさばくか。ここは、集中して考え、完成度を高め、納得できるまで、時間をかけて推敲するプロセス。ひらめいたアイデアを、言葉で「ひもとく」作業。実はここにこそ「アイデア」を「思いつき」に終わらせない、プロとしての真骨頂があると言えるだろう。
 ひとつのコンセプトを説明するために、10枚以上の企画書を書いたり、仕掛けの絵を描いてさらに10枚以上のページを追加したり、広告として表現されるのが一枚のポスターであったとしても、その前に、一般人の目には触れない企画書が存在して、それを書くのもコピーライターの仕事だ。
 コピーライターは、数行のキャッチフレーズを書くだけ、ではない。大手広告代理店でも、小さな制作会社でも、フリーであっても、そこにいるコピーライターという人種は、毎日「ひらく」「ひらめく」「ひもとく」作業を繰り返しているのだ。

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