世界柔道2007は、柔道がJUDOになってしまったんだな、と見せつけられた大会だった。特に100kg級の鈴木クンの試合は、わかりやすかった。相手の体勢を崩して、技をかけるのが柔道の醍醐味だ。鈴木クンは技をかけて、それで相手が倒れて、背中をつけて、一本勝ち!のように見えたが、くるりと相手は起き上がって、鈴木クンを逆に押さえつけて、背中をつけた。審判の手は、相手の方に上がった。
国際ルールでは、最後に背中をつけたほうが負けになるということだ。そう言われてしまえば、確かに、鈴木クンの負け。
これが真剣勝負だったら、と想像してみる。相手を切ったのに、その相手がゾンビのように起き上がって、自分に向かって切りつけて来た。そんなんで、いいんか?
スパッと切られたんだから、負けを認めて、ジタバタするな、というのが日本人の心性だと思う。技をかけて、倒して勝つ。その美意識が、その武士道が、国際試合では勝利の障害になってるのかも知れない。勝ちにこだわれば、倒されてからでも、チャンスを狙うのは当たり前かも、なのだ。
だが、だが、だが、そんなんで勝っても、喜べないのだ、日本人は、きっと。
だから、柔道ファンの僕の願いはひとつ。ちょっと前の井上クンのように、問答無用の強さで一本勝ちを決めて欲しい。曖昧さを残してはいけない。JUDOに対抗して、ここに柔道ありを見せて欲しいと思うのだ。
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