巫 女 【rough story 80】

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ふつうの人には聞こえない声を聞いたり、
霊があたかも乗り移ったかのような所作をしたり、
昔から、生活者として失格の烙印を押される子供がいた。
だが、なかには、その異常能力と生活力のバランスを
ある程度コントロールできるタイプもいて、
彼女たちは、やがて巫女と呼ばれ、崇められた。

異界と人間界をつなぐ言葉を持っているかどうか。
それが巫女とキジルシの分かれ目になった。
また異界とは言っても、その世界は様々だ。
どの世界にチューニングを合わせているか。
それを一般人が見抜くのは、なかなか難しい。
自然霊か人間か、それともまた違うレベルのものか。

昔は、近隣の町内を探せば、ひとりぐらいは、
そんな巫女のような存在が噂になっていた。
祈禱師であったり、占い師であったり、
もめごとの相談ができる存在がいた。
それは、一般人が簡単に狂気へと走らないように、
異界の入口で見張りをしている番人でもあった。

だが、現代では、巫女が町や村から消えた。
いや、消えたように見えて、実は、息を潜めている。
地下に潜ってしまうと、たがが外れてしまう。
一歩間違えれば、カルトの教祖となり、
あるときは、虐待の主犯となり、あるときは…
儀式は、隠れれば隠れるほど悪質となっていく。

現代の巫女は、巫女の顔をしていない。
女性だけに限らない。だから、やっかいなのだ。
我々は、見抜く眼力を身につけなければならない。

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