朝風呂 【rough story 62】

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明け方の5時、空が白みはじめ、
郭公の鳴き声が林を揺らし、
窓から眺める外の景色は、
数秒刻みで色合いを変えていく。
昨夜も入浴したのだが、
身体の芯が妙に冷えて、
もういちど暖まろうと風呂を沸かした。

風呂から庭を望むと、
緑が黄色に近く、まぶしいくらい。
現実離れした蛍光の黄緑色。
頭の中までその黄緑に染まりそう。
目をつむり、お湯に顔をひたし、
それから静かに目を開けてみる。
黄緑色は、やや落ち着きを取り戻していた。

目覚めていなければならない。
いまは、しっかり見なければならない。
冷え切った身体を暖めながら、そう思った。

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