初雪

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天気予報が当たって雪が降った
今年の雪は 例年より 早い訪れだ
ここ飯綱高原の自宅周りは 約3センチ
飯綱山を見上げると 当然ながら
もっと深く雪が積もっている
スキー場のコースが白く塗られていた

今から17年前 東京を離れて
長野県の鬼無里村に越してきた
その冬の初雪は やはり早かった
子どもたちといっしょに
雪が降ってくる景色を窓から眺めた
窓の先には戸隠連峰の峻厳な西岳が見えた
雪をかぶった姿はとても神々しく美しかった

鬼無里村の人たちは
その同じ雪を見てこれからの厳しい寒さと
きつい雪かきの日常を思い ため息をついた
僕たちは張り詰めていく冷気の中に
新しくひろがっていく生活を思い 夢を馳せた

雪とつきあって17年間…
今でもまだ 
あの頃の新鮮な感動があるだろうか?

50代を迎え すこし 身体にガタがきて
さすがに 雪かきはつらくなってきた
タイヤ交換も 自分ではしなくなった
冬の生活の厳しさも身を持って体験してきた

でも…
初雪を見ると
そんな厳しさよりも
わくわくする気持ちが芽生える
嫌なんだけど わくわく
文句を言いながら わくわく
何だろう この感覚は?

白い雪が瞬く間に風景を塗り変えてゆく
自然というものの圧倒的な存在感
それを日常として体験できる幸せ
多少 感度は鈍っているが
まだ新鮮に感じることができる

あしたも また雪
そこには残念ながら
初雪の感動はない

これからは雪が降るたびに
少しの労働と少しの感動が
平等に降り積もっていくのだ

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