広告批評その他あれこれ

広告業界はどこに向かっているのか?

2014/04/23
 
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 そもそも広告業界なるものの歴史は浅く、日本では、20世紀開幕の年である1901年(明治34年)が、あの世界一の広告代理店「電通」の創業年であり、おそらく100年とちょっとくらいだ。新聞広告の取次ぎ代理業務から始まったわけで、それから雑誌やテレビの普及に伴って、広告業界は産業としての裾野をどんどん広げていった。
 広告制作を専門にする、いわゆる制作プロダクションは、高度成長期以降の話だろう。それまでは、広告主が自分で考えたり、サントリーや資生堂のように宣伝部をつくって、モノやサービスを売るための広告づくりに励んできた。

 この50年間、広告業界をささえたビジネスモデルが、いま、地殻変動を起こしつつあり、あと5年間で激変するのではないか、というレポートをIBMが公表した。
 この“The End of Advertising as We Know It”というタイトルのレポート(Executive SummaryのPDF)は、もちろん英文だから、和訳と解説付きの下記記事を、まずはご覧ください。

 インターネットによって、オープンで消費者主導のメディアが生まれ、従来のマスメディア中心の広告モデルが脅かされている。確かに、従来メディアだけでは、その広告効果が薄くなってきたと言えるだろう。ネット上では生活者の趣味や嗜好をより的確に捉えられるシステムが構築されつつあり、今までのメディアでは考えられなかったきめ細かなターゲッティングが可能なのだ。

 GoogleのAdsenseは、サイト内の文章を独自のアルゴリズムで分析して、それに適した広告を挿入する仕組み(このブログでも使用中)。さらに、サイト訪問者の嗜好にマッチした広告を自動的に出稿する仕組みも登場している。ようするに、インターネット広告は、つねに、いまアクセスしてくる「あなた」を狙い撃ちするのだ。

 クライアントにとっては、従来型のメディアがインプレッション(いわば発行部数)によって媒体価値が決められたのに対して、ネット型の広告は一歩踏み込んで、クリックしたらナンボとか、購入したらナンボとか、広告の効果によって対価を決められる仕組みがある。広告主は、消費者のアクションが欲しいわけだから、結果によって価格が決まる仕組みはありがたい。言葉を換えれば、それだけ広告予算と効果に対してシビアになっているのだ。

 大衆を狙うのではなく、より絞り込んだターゲットに向かって広告情報を発信する。

 これ自体は今に始まったことではない、広告の大原則だ。広告代理店は、さまざまなターゲットのメディアをあれこれ提案し、広告クリエイターは、ターゲットの心にヒットする表現をあれこれ工夫する。

 インターネットが広告メディアそのものにターゲッティング機能を付与したとしても、実際に消費者が購入のアクションを起こすかどうか。さまざまなクライアントが、このシステムを利用したとき、商品自体が成熟市場になったとき、その広告を差別化するものは、やはり、広告表現であるだろう。特に、ことばのチカラが重要だ。

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 これからは消費者のアクションによってネット広告の媒体価格が変動するように、広告クリエイターの報酬もそのアクションと連動するようになれば、おもしろい。小説家が本の出版で印税をもらうように、コピーライターはユーザーのクリック数で報酬をもらう。20世紀型の広告モデルではない、21世紀型の広告収益モデルは広告クリエイターにも反映されるべきだと思うのだがいかがだろう?

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