友川カズキという存在

音楽の話
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泥臭いシンガーだなぁ。ずっとそう思っていた。
聞いてはみたものの、どうも、なじめなかった。
その風貌はまさに東北人そのものの顔つきだ。
寺山修二を彷彿とさせる顔で、
胸を掻き毟るように、呻くように、歌う。
いやぁ、キツイなぁ。そう思っていた。
だから、存在は知っていたものの、
友川かずきを聞こうとい気にならず、
どちらかと言えば嫌いで…目を背けていた。

だが、つい最近、YouTubeでたまたま目にした。
友川カズキは、いいおっさんになっていた。
不思議に、その歌が耳にすんなり入ってきた。
苦手だった人と仲直りできたような感覚。
そして、その顔が、誰かに似ていると思った。
東北人独特のごつい顔の輪郭は変わらず、
目だけが少し穏やかになっていた。
その風貌は、僕の親父の風貌と重なった。

言いたいことがあれば、言えばいい。
叫びたいことがあれば、叫べばいい。
なかなか言えない、叫べない、裸になれない。
そんな暮らしをたらたらしてきた自分に、
首根っこをつかまれ、活を入れられたように感じた。

いいね、友川カズキ。
かずきがカズキになった。
ずっと同じスタイルで歌い続けているだけなのに、
時代が友川カズキを求め始めたように思う。

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