商道徳 【rough story 73】

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下っ端と大事な話はできない。
広告はつねに経営と関わる話だから、
決裁権を持つ人物と話さなくちゃだめだ。
僕に、そう語ったデザイナーは、
いくつかの会社と顧問契約を結び、
コンサルタント的な動きをしていた。
確かに、それは理想ではあるけれど、
現実はさまざまな局面があって、
そう一筋縄ではいかない。
ただ、最近は、組織のなかで、
個人の力がますます弱くなっているのが残念。
むかしは、いち担当者であっても
ある程度の権限を持っていて、
たとえ上司に自分の意見を
ひっくり返されても、
腹をくくって、善後策を講じてくれた。
腹のくくり方に、人間性があらわれる。
ビジネス上のおつきあいであっても義理があり、
商いの道徳というものがあった。
組織のルールが、あまりにも強くなってくると、
個人の正義なんか通用しなくなってくる。
でも、これって、共存できないのだろうか。
個人が自立した理想の組織。
ううむ。難しいからこそ、わくわくする。

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