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八犬伝 【rough story 106】

2014/04/23
 
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昭和48年から約2年間、NHKで毎日放映された
連続人形劇シリーズ「新八犬伝」。
当時、高校生だった僕は、この番組に 
自分でも驚くほどハマッた。
坂本九ちゃんの軽やかな語り口、
おどろおどろしい辻村ジュサブロー氏の人形、
そして何よりも奇想天外なストーリー展開。
この世に、こんな面白い物語があるのか。
ドキドキ、わくわく、という紋切り型の言葉が、
この物語を形容するのにぴったりだった。
高校生というのは意外と忙しいので、
夜の6時半頃に自宅にいられるとは限らない。
しかも、ビデオなんかなかったので、
観れないときは残念、それまでだ。
でも、強い印象はいまだに残り、
これはNHKの金字塔的なドラマではないか。
そんな風に、勝手に絶賛、最高の評価、星5つ。

滝沢馬琴の南総里見八犬伝を原作にしたこの物語は、
ぐいぐいと心臓を鷲づかみにする魅力があった。
仁義礼智忠信孝悌という八つの玉を持つ犬士たち。
彼らのチームワークによって悪者が退治されていく…
お姫様を救えという至極シンプルな構図。
登場する悪者はしっかりと悪者として描かれ、
勧善懲悪の典型的なドラマではあるのだが、
視聴者にカタルシスをもたらしてくれる。
人形、音楽、背景すべてに手抜きがなく、
とんでもなく高いクオリティーを保っていた。
子供向けの番組なのに、これは、いったい何だ。

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僕だけではなく、このチームプレーと正義というモチーフに、
当時の日本人はたまらなく心をゆさぶられたのではなかろうか。
現代でも、なんとかレンジャーとか集団ヒーローものは、ある。
ただ、いかにも子供相手という映像を、大人は見向きもしないだろう。
当時の「新八犬伝」を企画したスタッフたちは、
大人の鑑賞にたえうる子供番組をつくろうとした。間違いない。

経済が失墜しつつあって、弱気な日本人が増えている
いまこそ、こういうドラマが必要なのではなかろうか。
内なる魂に呼びかけ、カタルシスと元気を与えてくれる
そんな物語がそろそろ生まれてもいい頃だと思う。

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