宿 題 【rough story 92】

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8月の最後の一週間。
夜になると、寒さを感じるようになり、
ただ昼は蒸し暑く、夏はまだ終わらない。
雨が降ると、その風のなかには、
肌を刺すような冷気が混じっている。
今年の秋は、まだその気配を少ししか見せない。
少年時代は、夏休みが終わろうとする一週間。
たくさん残した宿題に追われ、憂鬱だった。
夏はいつまでも終わらないで欲しいと思った。

いま、僕は、夏をあきらめ、秋の気配を探している。
そして、残した宿題を、あらためて開いた。
追われるのではなく、追いかけたいと思う。
秋が来ても、冬が来ても、ずっと、追いかけよう。
期限が僕に訪れるまで、やりのこしは嫌だから。

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