1969年、僕が中学一年生の頃。
ひとりの盲目の歌手がデビューした。
長谷川きよし「別れのサンバ」
独特の声、ギターの響き
その音楽性にすごく衝撃を覚えた。
それから暫くして、
彼のLPレコードを買った。
お小遣いを貯めて買った
初めてのLPレコード。
「別れのサンバ」以外の曲も
ほとんどすべて彼の作詞作曲。
どれもが素晴らしく感動的で、
何度も何度もレコード盤が
擦り切れ、音飛びするまで聴いた
なぜ、こんなに素晴らしい音楽がつくれるのか。
スパニッシュでブルージィ、
シャンソンのような雰囲気もある。
ジャンルにとらわれない
その音楽性のルーツを知りたかった。
ジャケットのライナーノーツを読んだり、
音楽雑誌の特集をあさって
彼の好きな音楽を調べた。
ブルースなら、ライトニン・ホプキンス
ジャズなら、セロニアス・モンク
シャンソンなら、ジルベール・ベコー
フラメンコなら、マニタス・デ・プラタ
それらの音楽をすべて聴きまくった。
いま、振り返ると、
けっこうアクの強いアーティストばかり。
そして僕は長谷川きよしのように
ギターを弾きたいと思った。
たまたま手元に6歳年上の姉が
フォークブームにのって買った
安物のクラシックギターが転がっていた。
姉は、1ヶ月くらいで挫折したようだが
僕は譲り受け、ギターの練習に夢中になった。
それから高校卒業までの
6年間、ギターはいつも僕のそばにいた。
長谷川きよしって、
いま、聴いても、すごいな。
ジャズが好きになったきっかけも
そういえば彼がつくってくれたんだ。
いまだにジャズが好きだし、
フラメンコが好きなのも、
僕にとっての音楽原体験が
長谷川きよしだったからなんだ。
そんなことをまったく忘れていた。
今度、機会があったら、ぜひとも、
長谷川きよしのコンサートへ行きたい
と元気そうなYouTubeの映像を見て思った。
コメント
悲しい内容なのに、思わず体を揺すらずにはいられない不思議なリズム。
ななたんと一緒に聞きました。
>taeさん
コメントありがとう!
古くても新鮮でしょ
椎名りんごさんも、
同じように感じたのかも知れませんね