そのときの気分によって、Jポップ、ブルース、ボサノバ、R&Bとか、いろんなコーナーを回ってくるのですが、いつも、必ず、見るのがジャズのコーナーです。
そこで、なんと1000円の名盤CDがたくさん並んでいて、買おうかどうしようかと迷ったのがセロニアスモンク。
僕をジャズの世界に引きずり込んだ張本人です。
記憶が定かではないんだけど、小学6年生か中学生の頃、テレビで来日したモンクが演奏しているのを見て、衝撃を覚えました。
独特のリズム感で、指をソーセージのように伸ばしてタン、タタンッと打楽器のように弾く姿は、なんじゃ、こりゃ!でした。
今まで聞いたことのないその音楽も、先入観なく、素晴らしいと感じました。
いま、Googleで検索をかけると、モンクの初来日は1963年。
その後、再来日したそうだけど、正確な年代がわかりません。
おそらく、僕が見たテレビ番組は、その再来日のときのものではないでしょうか。
ともかく、少年時代に向き合った音楽は、その後の嗜好性に大きく影響します。
モンクから入って、マイルス、コルトレーン、エリックドルフィといった、いわゆるモダンジャズをたくさん聴きました。
当時は、ジャズ喫茶か、もしくはLPレコードを買うか。
学生の身分で、それほど、LPレコードは買えず、とはいっても、学生の身分で、ジャズ喫茶に通うのもちょっと勇気が入りました。
なにしろ、中学生ですからねぇ。
周囲の友人達は、サイモンとガーファンクル、エルトンジョン、カーペンターズなどの洋楽ポップスを聴いていました。
僕も、そういう洋楽がBGMとしては好きでした。
ところが20歳頃から、僕は、音楽とじっくり向き合う時間を持たなくなりました。
レコードを買おうという意欲も起きず、音楽から離れていた時期がずいぶんと長く続きました。
45歳を過ぎてから、ギターを再開したり、CDを買ったり、そんな、ゆるやかな音楽づきあいがまた始まりました。
基本的に、いまは、ジャンルを問わない無節操な音楽ファンです。
いい音楽は、いい。
若い頃のように、過剰に感動することはなくなったけど…。
新しい音楽に対しても、ニュートラルな気持ちで聴くように心がけています。
それで改めて感じたことがひとつ。
当たり前けど、音楽というのは、個人的にしろ、世の中的にしろ、まさに「時代」を映し出すものなんですね。
「いま」を感じるなら、音楽がいちばん。
それを受け入れるかどうかは別の問題。
こういう時代に生きて、いろいろな考え方があって、どういう風に時間がまわっているのか。ひとつの音楽が世の中を変えるぐらいのパワーを持つことだってある。
そんなに大げさじゃなくても、ちょっと勇気をもらったり、涙流して吹っ切れたり、シンドイこの人生を生きていく上で、なんか大切なものを音楽は与えてくれます。
そんな、音楽についての、あれこれを、福田進一が弾くバッハ、シャコンヌ ニ短調を聴きながら思いました。
はい、無節操です(笑)。
追記
このニュースは感無量です。ジャズ専門誌「スイングジャーナル」休刊へ
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