「歌」というものが、存在し始める。
原初の衝動をしっかりと持ち続け、
喉の奥から自然にほとばしるような歌声。
その声が、ぼくの心に刺さった。
静かで穏やかで、耳に心地よい。
天然のリバーブがかかっていて、
初めて聴いたとき、すごい歌手がいると思った。
久しぶりに感動する歌手に出会えた。
青葉市子。すでに知る人ぞ知るシンガーソングライター。
曲がいいとか詞がいいとか、そういう細かなことを
すべてふっ飛ばして、何よりも、声がいい。
ただただ、声によって、何かを届けられる人。
只事ではありません。只者ではありません。
大海のなか、人しれぬ小島に、平和を好む人たちが暮らし、
そこには少女の瞳を持つシャーマンがいて、
彼女は毎朝、朝焼けに向けて、舞いながら歌っている。
異界と世俗の境界線に、その声がぼくを運んでくれる。
あまりにも情報過多な現代に、このような存在が、
そのまま普通に生きていることが奇跡のように思える。

彼女が歌を始めたのは、山田庵巳という吟遊詩人の存在。
師匠と仰ぐ山田庵巳のオリジナルをカバーした名演。もう10年前になるんだ。

青葉市子をずっと知らないでいて、人生を損した気分だ。

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