10年以上もインターネットに携わっていますと、いろいろ思うところがあります。当初は、TCP/IP接続専用の通信ソフトとブラウザが別々に必要で、モデム設定やら何やらで、たいへん面倒でした。OSはwindows3.1、Netscape1.1 モデムは14.4kbps。インターネットの発展の歴史を調べたり、HTMLの習得のために当時唯一の日本語テキストを読み込んだり、いやぁ、いまは昔ですが、パソコン通信を経験する身からすると、画像情報が統一フォーマット(HTML)で発信できることは画期的で、エキサイティングな出来事でした。
WEB戦略に関する情報がWEB内外で飛び交うようになった昨今、いままでよりも、WEBの専門用語は通じやすくなりました。10年前は、ホームページの必要性を説明することから始まって、メールの設定方法や使い方、HTMLの基礎知識講座など、かなりの情報サービスを手取り足取り提供しなければなりませんでした。
ここ数年で、クライアントの皆様のWEBに対する認識が深まり、次のステップへ踏み出したいという要望が多くなってきました。
その際に、よく話題になるのがサーチエンジン最適化(Search Engine Optimization)、いわゆるSEO対策です。いくつかのサイトで実験をしてみると、確かに、検索エンジンの上位にランキングするようにはできます。
ただ検索エンジンにヒットしなければ、WEBサイトを立ち上げても意味がないという一部のプロパガンダに関しては、ちょっとヒートアップしすぎかな。SEO対策事業者の煽動に惑わされていないか。リニューアルのための新規参入手段となっていないか。
われわれとしては、SEO対策を冷静に見ています。
インターネットの共通仕様が、どのような方向に向かっているかを見定めて、その軸足をしっかりさせておけば、SEO対策は大丈夫です。いま必要なことを、いまのレベルでやる。そして将来的に仕様が変化するようなら、そのとき、対応する。HTMLそのものも進化してきましたが、すぐに、すべてがXHTMLになるわけではありません。インターネットコミュニティの信頼性を壊すようなことは、インターネットコミュニティが許さない。
どこかのOSのように新しいOSになったら、古いアプリケーションが使えなくなるような仕様はNG。インターネットは、世界中の開発者とユーザに育てられているのです。
インターネットは、包容力のあるやさしい変化を遂げています。
その背景に、凄まじい企業戦争があるのも知っていますが、ジャッジメントは、あくまでもユーザです。ユーザに支持されたシステムだけが生き残り、新たな仕様に組み込まれていくのです。
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