PDF(ピーデーエフ)とはPortable Document Formatの頭文字からとったもので、ビジネスの現場では、もはや欠かせない文書フォーマットのひとつになっている。もともとAdobe Systems社によって開発され、ワープロや表計算、プレゼンテーションなど、およそ印刷できるソフトであれば、あらゆる文書をPDFにすることができる。
これがどう便利かというと…たとえば、AさんがWordというワープロソフトでつくった文書をBさんに見てもらう場合、BさんがWordという同じソフトを持っていれば、文書ファイルをわたすだけでOKなのだが、もしBさんがこのソフトを持っていないとしたら、BさんはAさんの書いた文書をまったく見ることができない。そんなとき、PDFというフォーマットに変換すると、PDFファイルを見るソフトが無料でAdobe社から配布されているため、BさんはAさんの書いた文書を印刷イメージのまま、見ることができるのだ。この閲覧用ソフトはAcrobat Readerというもので、プリンタを買うときについてくるCDの中に、いっしょに入っていたりする。
行政関係では、このPDFがひじょうに普及しており、文書公開の統一フォーマットに近い扱いになっている。Macintosh、Microsoft Windows、UNIX から各種モバイルプラットフォームまで、あらゆるPC環境で表示・印刷が可能であり、その普及率も高いのだ。
ただ見るだけならいいのだが、自分がWordなどでつくった文書をPDF化するためには、高額のAdobe Acrobatというソフトが必要となる。現在のAdobe Acrobat 8 Professional製品版は、57,540円(税込)。僕は、Ver.7を持っているのだが、これのバージョンアップ版は20,700円(税込)である。
確かに本家のソフトであるから安心ではあるが、つい先日、ハードディスクの掃除をしていたら、このAcrobat 7 Professionalが700メガも占有していることに気づいた。これは、けっこう大きな容量である。OSの入っているCドライブからDドライブにこのソフトを退避させるべくインストールしなおした。
で、待てよ、と思った。確か、フリーのソフトでPDFを作成できるものがいくつかあったはず。これを機会に、そういうソフトをメインに使ってみようか。
PDFとフリーソフトという言葉でググッってみると、けっこうたくさん出回っていますね。いろいろ調べて、検討した結果、以下のフリーソフトを導入することにした。
1、PDF作成
PrimoPDF→いちどインストールしてしまえば、あとは印刷のときにPrimoPDFを選ぶだけ。Officeソフトをはじめ、印刷できるものであれば、なんでもPDF化してしまう。簡単です。
2、PDF編集
iTextFront→PDFファイルを結合するって作業をよく行う。いくつかのPDFをまとめて印刷したいとき、結合してからのほうが楽チンだからね。これは、そのファイル結合機能を持っているフリーソフト。
3、作成と編集
クセロ「瞬簡PDF ZERO」 →もうひとつ、作成も編集もひとつでできるフリーソフトを見つけた。これは、ネットにつながった環境でしか使えない。なぜなら、起動時に広告が表示されるから。それさえ目を瞑れば、けっこう使えそう。
いちおうこの3つのフリーソフトを使って、当面は、運用してみようと思ってる。先に紹介したOpenOffice.orgは、実は、PDF作成機能が最初からついていたりする。だから、この3つのソフトの出番は、MS Officeを使うときになる。
Windowsのフリーソフトばかりで、Macはどうなのか調べていないが、Macの場合、デザイナーがよく使うイラストレータもフォトショップもみんなAdobeの製品だから、もとからPDFの書き出し機能がついている。
いずれにしろ、フリーソフトは、本家のソフトにはかなわないが、その不便さも含めて、作者に感謝しながら、使ってみようと思うのだ。
コメント
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