桑田佳祐がやってくれたこと

時事・世相
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スキー場へ打合せに行くクルマの中、
カーステレオから桑田佳祐が聞こえてきた。
そういえば、最近、聞いてないな、と思いつつ、
桑田佳祐を初めて聞いた頃を思い出してみる。

サザンオールスターズのデビューは衝撃的だった。
78年、シングル「勝手にシンドバッド」は、
今までにないサウンドで僕を圧倒した。
そのとき、思ったのは、
「日本語がロックになってるじゃん!」
と突然、ヨコハマ弁になってしまうが、
とにかく、今まで日本語はロックになじまない、
と思ってきたのに、この樂曲を聴いて、目からウロコ。
そうか、このようなイントネーションを使えば、
母音の多い日本語でもロックできてしまうのかぁ、と。

桑田佳祐は、1956年2月26日生まれ、
神奈川県茅ヶ崎市出身。
僕より、ちょうど1歳上のお兄さん。
渋谷近辺をうろうろしていた時期もいっしょ。
ピンクレディのデビューがその2年前、76年。
なんだか、当時の音楽業界は賑やかしい印象だ。
サザンの音楽もその一貫、一発屋として見られていた。
あんな派手なお祭り騒ぎのパフォーマンスだったから、
そう見られてもまったく不思議はなかった。
同年代の空気を呼吸してきた僕は、
「勝手に…」がそれほど好きではなかったが、
それでも、言葉とビートの融合という意味で革命的だ、
と心の中で拍手喝采をしていた。

それからも、日本の音楽シーンで
時に目立ち、時に静かに、時にお茶らけて、
ずっと第一線で活動を続け、名曲を数多く残してきた。
同世代という共感もあり、僕がカラオケで歌う曲もある。
しかし、レコードやCDを買ったことは一度もなかった。
まぁ、その程度の「好き」なのである。
それと、自慢ではないが、僕は高校生以降、
自腹でレコードやCDを買ったことがなかった。
いいなと思えば、友人から借りてきて、
それを個人的楽しみでカセットに録音する程度だった。

ところが、僕が45歳、佳祐が46歳の2002年。
アルバム『ROCK AND ROLL HERO』が発売された。
サザンではなく、桑田佳祐名義のアルバムだ。
これを、ラジオで数曲聞いて、なぜか、シビレテシマッタ。

それで迷うことなく、衝動買いですね。
近くの本屋さん併設のCDショップでそく購入。
何度も聞き入ってしまった。

なんだか、この頃が、僕にとっての分岐点。
禁煙を始めたのも、この頃だ。
ギターを再開したのも、この頃だ。
独立心が芽生えたのも、この頃だ。

思春期というものがあって、
人はとても感受性豊かに、
いろいろな思いをめぐらすのだが、
45歳の僕は、どうやら思秋期とでも
呼ぶべき何か、にとりつかれてしまった。

桑田佳祐を、むちゃくちゃ好きなわけではない。
まぁ、僕の息子の名前は、
佳祐から「祐」をいただいたりもしたが、
それほど、大好きなわけではない。
まぁ、同世代人だからね。
昭和歌謡のメロディーも泣かせるし、
共感できる部分が多いのであってね。

桑田佳祐、まだまだ、何かをやりそう。
そんなイメージが、なぜか、うれしい。
僕も、まだまだ、何かをできそう。
そんな、エールな感じの存在ではあります。

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