外国人が増えている

時事・世相
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 ここ数年、長野駅から善光寺に向かう中央通りに、むちゃくちゃ外国人旅行客が増えてきた。長野オリンピックが開催された年も、けっこう外国人を見かけたが、いまはコンスタントに外国人旅行客を見かけるようになった。
 時々、東京へ出かけても、やはり、新宿や渋谷では外国人の姿が目立つようになった。浅草なんかへ行けば、それこそ、各国語が飛び交い、人種のるつぼである。
 いつから、こんなことになったのだろうと振り返ると、小泉純一郎総理の時代まで遡る。平成15年、観光立国という言葉を使って、外国人旅行客を増やすぞ、とぶち上げたのだ。日本の経済成長の鈍化や高齢化社会の進展を睨みながら、海外観光客の受入れは、自然な選択肢のひとつだった。
 日本の高度成長は、国内需要のマーケットに依存してきた。団塊の世代とともにマーケットがふくらんできた。だが、いまは、2025年問題を控え、人口減少の時代を迎え、かつての旺盛な消費行動に期待できなくなった。そこで消費者としての外国人旅行者に目をつけた。日本の伝統文化はもとよりアニメ、サブカルまで動員して、大慌てでニッポンの魅力を絶賛売出そうという魂胆だ。
 日本の官僚は優秀だ。役人たちは、統計学的な手法を駆使して未来を予測する。海外からの誘客の障壁になる法律を整備して受入れやすくする。ビジョンを実現するために着々と道路をつくる。だが、彼らの仕事はそこまでだ。道の両脇に並ぶお店のイメージが浮かばない。
 しかも観光鎖国をつづけてきた観光地は、ここ数年の海外観光客の急増に対して、どうしたもんじゃろう、と対策が追いついていない。
 東京、富士山、京都のゴールデンルートだけでは物足りない外国人に
どのようなお店と楽しみを提供すればいいのか。オリンピック開催の2020年をピークに、その後も安定的な誘客を実現するにはどうすべきか。
 解決すべき課題がたくさんある。当分は、観光地と観光産業を巡る動向から目が離せない。さらに外国人が増えることで、ほかの側面にも影響があることは確かで、その課題も視野に入れれば、話は観光だけにとどまらない。どこまで先読みできるか、楽しい時代だと個人的に思う。
 

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