あるブログで、あるコピーライターが動物愛護に関する公共広告的なコピーをいま頑張って書いている、という記事を読みました。モノを売るだけではない、ちょっと意見広告的なニュアンスの公共広告的な仕事って、やりがいがありますよね。特にコピーライターは言葉の力によって、世の中の意識が少しでも好ましい方向に向かうための手助けができる。しかも仕事として報酬まで頂戴して…これは何というか、コピーライター冥利というか、使命感に燃える仕事になるのであります。
その昔、20年以上前の東京時代、営団地下鉄と呼ばれていたところがクライアントで、マナーポスターのコンペがありました。半年に一回くらいのペースで開催され、その都度6か月分のポスターが決定しました。僕は、ある中堅印刷会社経由で、このコンペに参加して、大手代理店D社やH社とわたりあって、何本か採用となりました。その中のひとつがこれ、「読めば情報。置けばゴミ。」このフレーズを生み出すために、かなりうんうんと苦しんだ思い出があります。言葉が出てきたときはすっきりしました。雑誌を置きっぱなしにしてはいけないよ、ということをどう言えば、嫌味にならず、誰にでも共感できるものになるか。当たり前のことをみんなに伝わるように言うのって、けっこう難しいんですよ。誰だって、お説教は聴きたくないしね。現代なら、「読めば情報、置けばゴミ、出せば資源」って感じになるのかな。
長野に来てからも、エイズ関連のポスターや白馬のオオタカに関する新聞広告など、いくつか公共性の高い広告をやりました。伝わる言葉をつくりたい。これ、広告コピーライターの基本です。それにしても、最近は、こういう仕事がない。また、やってみたいなぁ。
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