ハナレグミの「サヨナラCOLOR」を僕は大好きです。なんというか、長い年月に渡って、歌い継がれていく名曲ではないでしょうか。NHKのトップランナーに出演したとき、本人は、この歌に関して、こんなに個人的なことを歌にしてもいいのだろうかという「とまどい」があったと語っていました。とっても個人的なことでありながら、それが多くの人の共感を呼ぶ。個を超えて、普遍性を帯びる瞬間。それは音楽に限らず、絵も文章も、個に徹底的に向き合うことでしか、人を感動させる表現は生まれてこないのではないでしょうか。
むかし、中学生の頃、太宰治と三島由紀夫を読んで、その違いについて考えました。三島作品は、その登場人物がすべて小説家三島の操り人形のように思えてしまったのです。太宰作品は徹底的に個人をさらけ出すように描きます。これは記憶が曖昧ですが、三島本人の言葉だったか、それとも評論家の言葉だったか…「三島(僕)の作品は、百年後には残らないよ。太宰の作品は残るだろうけど…」…この言葉を読んで、我が意を得たりと生意気な中学生は思いました。これ、そもそも記憶間違いかも知れないけど、三島由紀夫なら自虐的にそういう言葉を発するような気もします。タイプは違ってもふたりは日本語の素晴らしさを表現した作家であり、その作品は、どちらも長く読み継がれるに違いないと、今の僕は普通にそう思いますけどね。
まぁ、そんなこんなで、「サヨナラCOLOR」は、先日紹介した加藤愛さんがカバーしていて、その歌が素晴らしく、あらためてこの曲の偉大さについて思いを馳せました。で、いろいろなバージョンがYouTubeには転がっているのですが、そのなかで、これが極めつけというやつをひとつ紹介します。ハナレグミと忌野清志郎です。泣けます。
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我喜欢这类的文章,不错!