おでかけ　【rough story 5】

あした何を着ていこうかしら。
前の晩に服を選ぶ。
その選んでいる時間が好き。
だいたいのコーディネイトが決まると、
ハンガーにすべてセットして、それから寝る。
でも、たまに、迷いすぎて決められない夜がある。
そういうときは、困る。寝られないから、ほんとに、困る。
けっきょく一睡もできないまま、朝を迎えることになる。
着ていくものが決まらないのだから、
わたしにゆるされた決断はふたつ。
ひとつ、何も着ないで、でかける。
ひとつ、部屋にいて、でかけない。
常識的なわたしは、当然、後者を選ぶ。
いまは、そのたまたまが続いている。
おでかけできない日々が続いている。
服を選べるようになる、その日まで、
おでかけは、おあずけ。