営業マンであれば、名刺交換は日常的で、毎日、新しい人と出会うこともあるでしょう。デスクワーク主体の職種であれば、それほど、新しい人と出会う機会は多くありません。私たちは、一生の間に、どれだけの人数と知り合うことができるのでしょうか。
先日、自宅の倉庫代わりの部屋を整理しました。そのとき、東京で働いていた頃の膨大な量の名刺が現れて、しばらく呆然としました。そういえば、こんな有名な人とも仕事をしたな、と顔が浮かぶ人もいれば、あれ、この会社この名前、誰だっけ、とまったく思い出せない人もいます。社会人としての30年間、さまざまな人とすれ違って来たんですね。
小才は、縁に出合って縁に気づかず。
中才は、縁に気づいて縁を生かさず。
大才は、袖すり合った縁をも生かす。<柳生家家訓>
これらの名刺を前にして、まぁ、自分はいかに小才であったのか、と自己反省を込めて記憶がよみがえってきました。いま、縁が続いていない人とは、そのときの自分にはその縁がなかったのでしょう。逆に、最近、30年前に知り合った人と、深い絆で結ばれていることを確認できるような出来事もありました。縁が縁として成立するためには、自分と相手とのタイミングが重要なのではないでしょうか。縁の役割とは、人間としての成長。縁によって、おたがいの成長が大きく促されます。成長への意志がないところには、縁が訪れないのかも知れません。
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