2011年もいよいよ4月になりました。日本では、新年度ということで、会社も学校も、新しい人を迎えます。4月は、1月以上に大きな変化を伴う月、別れと出会いがたくさんあって、それぞれの人生の節目となります。僕の息子は、消防士として採用式に臨みました。僕の娘の娘、孫は保育園の入園式を迎えました。それぞれ晴れがましい気分とともに、この大震災の年に新たな出発を祝うことになり、いろいろな意味で忘れられぬ一日となったことでしょう。これから日本は、どのようにこの危機的状況を打開していくのでしょうか。ビジョンもなく、不安なまま、一億総神経症のような時代を、僕たちは生きていかなければなりません。現代を生きるということは、今まで以上にひとりひとりの強い「覚悟」が大切になっているように思います。
そんなとき、昭和32年の防衛大学校第1回卒業式にて吉田茂が行った訓辞をTwitter上で知りました。これ、けっこう有名な訓辞のようですが、僕は初めて知って、ほぉ~と感心しました。
君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。
平常時にこういう覚悟を求めた吉田茂は、たいした政治家だと思います。消防士や警察官とともに、ヒロイズムに陥りやすい職業であるからこそ、あえて、このような言葉を。
さて、いま、東日本大震災の現場で活動している自衛隊の皆さんを、日本中の人々が感謝と尊敬の念で見つめています。僕も、そう思います。でも、その感謝とともに、一日でも早く、自衛隊が元の日陰者の座に戻るように、幸せな日本が再び訪れるように。日本を救済する特効薬みたいなものは存在しません。ひとりひとりに、いい気づきがあれば…意識の津波に流されるのがいちばん怖い。その辺のところ、僕らもしっかりと「覚悟」を決めて、生きていかなければなぁ、と思いました。今回は、筋道があるようなないような、わけのわからないお話でした。思いの根っこはあるのですが、枝や葉っぱがまだ整理できていませんね、はい。
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