たまたま仕事が昼にかかってしまい、午後2時過ぎに遅い昼飯を食べていました。
教育テレビを何気なく観ていたら、「こころの時代」という番組の再放送をやっていて、これは通常なら日曜の午前5時から6時の放送なので、まぁ、めったに観ることができません。
この月曜の再放送だって、普通なら仕事中なので、観ることがありません。
「待てない時代にどう育てるか~人間教育を支えるもの~」というタイトルで、なにやら、真面目そうなおじさんと坊主頭のおっさんが何かを喋っています。
「生徒がこのようなスピーチをしたんです。読みますよ。私はいい子を装っていた…親に対して、世間に対して、自分に対して…」
偶然に観たこの番組。ついつい引き込まれ、とっても感動しました。
この真面目そうなおじさんの名は、基督教独立学園の校長先生、安積 力也さん。
聞き手の坊主頭は、金光 寿郎さん。
この全寮制の学校では、毎朝、生徒たちが順番にスピーチを行っているのですが、全生徒数が約75人と少ないため、ひとりが年に四回くらいはその順番が回ってくるそうです。
その内容の一部を番組内で校長先生が次々に紹介してくれます。
自分自身と向き合うことの少ない現代社会において、ある意味、特殊な環境下で内省的な訓練を行って、生徒たちはたくさんの気づきを得ていきます。
「ほんとうに、心の底から、願っていることは何なのか?」
その部分に問いを投げかけ続けて、ただ、待つことが大事なのではないかと、校長先生は語ります。
人を樹木にたとえて、その根っこの部分を見つめていこうとする、この学校の在り方に、ひじょうに感銘を受けました。
根っこを育てる教育とは、あたりまえのようで、もはや、あたりまえではありません。
言葉では、いろいろ語れても、実践という面では、現代社会は余計な雑音が多すぎるように思います。
そもそも学校の先生が鬱病をはじめ様々な病いを抱えているのですから、子供たちはほんとうに大変な時代に生まれ合わせていますよね。
この学園のように本質的なことをしっかりと見つめるなんて、そんな時間を持つことは難しいでしょう。
それは子供に限ったことではなく、大人だって、そうではないでしょうか。
平日の昼下がり、たまたま観たテレビ番組から、僕自身、多くのことを気づかされ、自分の日常生活を反省させられました。
また、人間の未来に対する希望みたいなものを感じて、心がほんわかと温かくなりました。
この出会いに、ただただ感謝と手を合わせました。
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