コピーライター出身のクリエイティブディレクター

広告論
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職業は何ですか?と聞かれると、相手によって、色々使い分けてきた。

広告プロデューサー、WEBディレクター、CMプランナー、マーケッター、NPO理事、ブランディングコンサルタント、CMソング作曲家、そしてコピーライターというふうに、その人やその場によって名乗ってきた。

だいたいはすべてを統括できるクリエイティブディレクターという便利な名称を、長い間、使ってきたのだが、最近になって少し思うところがある。

僕の仕事スタイルは、プロフェッショナル意識の高いスタッフと、案件によってプロジェクトチームを組んでいくというもの。

映像の場合は映像ディレクターと編集マン、印刷物はグラフィックデザイナーとカメラマン、WEBはデザイナーとプログラマーといった具合に。

僕自身の担当は、クライアントと直接会って打合せし、その要望を咀嚼しつつ、いろんなメディアの広告企画や販売戦略を考えることだ。その原案・アイデアをスタッフに投げかけ、ブレストを行って軌道修正し、さらにクオリティの高いものに仕上げてから、クライアントにプレゼンする。

そういう仕事のやり方を続けてきたから、時代の流れによって、いつの間にか、印刷物から映像、WEB、店舗設計まで幅広いジャンルを手掛け、提案するようになってしまった。

ただ、メディアによってスタッフは変わっても、自分自身のスキルは、昔も今もずっとコピーライターだと認識している。一人の職業人としての立ち位置は変わらない。

けれど「コピーライターって、デザインや映像、WEBのディレクションまでするの?」という方もいて、それで、堂々とコピーライターですと名乗れなかった節もあり…。

結局は、(コピーライティングもできる)クリエイティブディレクターという無難な職名に落ち着いたわけだ。

ほかの人への説明には、クリエイティブディレクターがわかりやすいけれど、自分自身としては、やはりコピーライターの自覚が強い。

言葉が生み出すパワーを信じている。ひとつの言葉がプロジェクトを動かし、人の心を動かすシーンを何度も見てきた。これは、今も昔も変わらない広告現場の真実だと思う。

そういうわけで、これからもコピーライターの自負をもって仕事に臨みたいと、あらためて思うのであった。

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