夏は、お祭りの季節だ。
天空を切り開き解放感をもたらす花火、
ギトギトとした煙にかすむ屋台、
涼しげに女の艶を見せつける浴衣、
男の肌から媚薬のような汗があふれる踊り…
お祭りはセクシャルなアイコンに満ちている。
昔から、農耕民族のハレの儀式として、
日常生活では許されない無礼講がまかりとおる世界だ。
お祭りによって、人は原始的な魂を開いていくのだ。
だから、祭りのない地域には、
心がかようコミュニティは育ちにくい。
無理してつくった新しい祭りは、
人々の心まで解放してはくれない。
ただ、その新しい祭りが引き継がれていけば、
やがて、伝統となる日がくるのだろう。
なぜ、こんなお祭りを始めたのか、
そんな謂われがどうでもよくなる時代が、
やがて来るに違いないと思いながら、
いま、新しい祭りに携わっていけばいい。
ようやく、そう思えるようになってきた。
今夜は、祭りの夜だ。
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