1月13日、長野に平田オリザさんがやってきた。
長野のSNSとして頑張っている「N」(エヌ)の主催。
ToiGoという場所でワークショップと講演会が行われた。
イベントの概要はこちらをどうぞ。
午前のワークショップは途中からの見学だったが、
午後の講演会はしっかりと聴いたのであった。
日本の教育のあり方や演劇による地域活性化の話など
とても興味深いテーマであり、内容も面白かった。
いろいろな話を展開されたのだが特に印象に残ったのは、
日本の教育が「協調性」を重視してきたという指摘。
協調性を重視して、みんなが同じ方向を向いて、
その結果、何が、いま、起こっているか。
たとえば、6カ国協議における日本は、
協調してくれない国に対していらだちを隠せない。
かたや歴史が浅く多国籍多人種の国は、
それぞれの違いを認めつつどうするかを考える。
まずはバラバラの個性を認めて、そこから解決の道を探ることが、
これからの日本では重要ではないか、とオリザさんは言う。
それを「協調性」から「社交性」へという
ひじょうにシンプルな言葉に収斂させていた。
日本が国際社会において孤立せず、
また国内のグローバリゼーションに対処して、
チカラ強く生き残っていくためには、
日本人よ、もっと社交性を身につけよ。
社交性とはつまりコミュニケーション能力である。
この能力を身につけるために、
「演劇」もひとつの有効な手段として検討されていい、と。
2時間、聴衆を飽きさせない話術は一流である。
僕は、平田オリザさん初体験。
彼の著作も舞台も、まったく知らない。
たまにコメンテータとして、
テレビ出演しているのを見かけた程度。
ちょっと変わった文化人だな、くらいの認識。
あえて先入観を持たずに講演を聴いた。
その内容はおもしろく、示唆に富むものではあった。
触発される部分も多々あったのだが、
僕としては、何か、もやもやした感じが残った。
それは、きっと演劇のチカラに対して、
僕が強いイメージを持っていないからだろう。
教育としてのプレイする演劇と、
娯楽としてのエンジョイする演劇。
コミュニティにおける演劇的なるものを、
21世紀の現代にどう復活させられるか。
僕は、どうもイメージできないのだ。
平田オリザさんの芝居を見れば、
何かつかめるのかも知れない。
もしくは、それぞれがそれぞれのビジョンを
描いてくれるようインスパイアしているのかも知れない。
そう言えば、オリザさんは、
自らをトリックスターだと言ってたなぁ。
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