そのシステムは汗や涙を流すだろうか

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1995年頃、Windows3.1でカメレオンでTCP-IPダイヤルアップ接続、Netscapeをブラウザにしてネットサーフィンの時代。長野の某経済団体で「インターネットの可能性」というタイトルで100人ほどの聴講者を前に講演しました。わかりやすくしようとしたものの、まだ皆さんがインターネットを体験していなかったので、雲をつかむようなお話になったことでしょう。
でも、その当時から、現在のWEBビジネスで成功しているアイデアはほとんど存在していました。ただアイデアはアイデアであって、それを現実の儲かるシステムにできるかどうかは別問題。例えば、「楽天」なんて典型的。当初からEコマースの構想はたくさんありました。大手PCメーカや通信メーカも「ここにビジネスチャンスあり」と大量に資金を投入してきました。僕も政府主導のEコマース研究会に参加して、大手PCメーカのソフト開発の現場を垣間見たり、製鉄会社や商社も本気で取組もうとしているんだなと思いました。
後発の「楽天」が、なぜ、ここまで生き残ることができたのでしょうか。僕は思うんですけど、システムは大切なんだけど、それに依存しすぎることなく、マンパワーによるコンサルティングを重視した結果ではないか、と。モノを売るということは、システムだけで売れるわけではなく、やはり、どんな情報を発信できるかということ、営業力や編集力が問われるんですね。どれだけ汗を流したか。どれだけ悔し涙を流したか。いい意味での泥臭さは必要です。でも、ネットに関わる人たちは、どうしてもシステムを重視しすぎてしまう傾向があって、泥臭さを排除したがるんです。
アイデアは、それだけでは、思いつきに過ぎない。それを現実化する泥臭い努力が重要です。例えば、ネットちらしのアイデア。これも10年くらい前からありました。ただ、実現するための手間がたいへん。リクルートさんは、その点、すごいですよね。やってくれました。
全国の広告チラシ(ちらし)の情報が満載!タウンマーケット
全国のチラシをFLASH化してWEBに掲載するなんて、尋常の手間ではありません。
ただ、このサービスが生き残るためには、もうひとつ何かが必要でしょう。既存のマーケットの手法を真似するのではなく、そこに新たな積極的に利用したくなる価値がないとね。
いま、WEB上のビジネスアイデアは、Googleやはてな、元気で若いIT企業が主導権を握っています。でもアイデアだけに投資するITバブルの時代は終わっていますから、そこに、どれだけ泥臭い仕組みを取入れられるかどうか。けっきょく、人間の心理がわかっている企業が強いんじゃないかな。若いだけではなく、したたかさが問われるのでしょうね。

コメント

  1. 山上 より:

    この記事,なるほどなと思いました。
    今後の自分の活動に参考になりました。
    ありがとうございます。

  2. KIKU より:

    アイデアを思いつきで終わらせないために…
    「夢はあきらめない限り生き続ける。」by Y’s Twitter
    それでも、その夢の長短によって、人生の浮き沈みも左右されるんでしょうね。見果てぬ夢で、他人に迷惑ばかりかけていてもしようがないしね。

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