親父命日の一日前に親知らずを抜く

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今朝、親知らずをようやく抜くことができた。この親知らずは、左顎のいちばん奥であるが、痛み出して、最初ふつうの歯医者さんに行ったら、そこでは太刀打ちできないほど病んでいるらしく、大病院の口腔外科を紹介された。ところが、予約が1週間以上先になってしまった。先週末は、なぜか、むちゃくちゃその歯の周辺左右上下が痛みまくり、鎮痛剤を飲んでも、きかず、ひーひー言いながら、再度、かかりつけの歯医者さんに駆け込み、急遽、口腔外科で予定を早めて手術をしてもらうことになったのだ。
いま、その存在感を失った親知らずの周辺は、ひじょうに軽くなり、痛みはあるものの、あの頭まで突き抜けるような疼きはない。
「親知らず」とは、大人になってから、親の知らないうちに生えるから親知らずなのだが、なんだか、この言葉、昔から僕には「親不孝」のように聞こえていて、その疼きは、親の心を知らない子供の不徳を叱責しているもののように思えた。親知らずを抜くことで、亡くなった親のことを思うそんな一日ではあった。

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