ユング派性格分析で、プレゼンは勝てるか?

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 競合相手がいる企画コンペでは、その都度、勝敗が決する。勝ったときは喜び、負けたときは落ち込む。勝率10割は、まず、ありえない。0割なら、業界から、足を洗うべきだろう。また競合コンペには、参加しないという方針もありうる。クライアントからつねに指名発注されれば、それがいちばん効率的なのだが…。

つい最近、僕は、ある競合コンペで負けた。人は勝ち戦については自慢するが、負け戦については口を噤むことが多い。しかし、「負け」にこそ、大きな教訓があることを忘れてはならない。負けの原因を、どこまで分析できるか。

今回の場合、敗因はやはり決定権を持つ人間の性格分析を誤ったことだと思う。

僕はユング派の性格分析を基礎に置いてクライアントを分析している。外向的か内向的かという部分では、ビジネスマンの場合、ほとんど外向的であると想定して考えることにしている。ユングはさらに「思考」「感情」「感覚」「直観」 という4つのタイプに分類しており、このタイプ分析を僕は習慣的に行っている。

自ら会社を興した創業経営者には、「直観」タイプが多い。下積みからのし上がっていく「感情」タイプ。引き抜きでトップの座にいすわる「思考」タイプ。二代目に多い「感覚」タイプなど、自分なりにクライアントの性格を分析して、おもしろがったりしている。

今回のクライアントを、僕は「感情」タイプと判断した。また、長期的なスパンでの仕事になるため、いっしょにやっていけるかどうかを基準にして選ぶだろう、と。だから、企画の内容にはある程度の幅を持たせて、決めつけではない、柔軟性のあるものを提案した。クライアントからの参加を促す「間」をあえてつくった。

だが、その読みは甘かった。クライアントはどうやら「思考」タイプであった。自らの感覚も信用していないため、第三者的な基準を求め、さらに曖昧さを排除する「断定」を求めていたのだ。 プレゼンテーションの現場で、相手からの質問で、それは、わかった。相手が求めているマーケティング・データを、しかし、こちらは準備していなかった。

いわゆる合議制で決まるコンペの場合は、マーケティング・データを準備して臨むことが多い。経営者の一声で決まる場合は、データはかえって邪魔になるだけだ。今回の意思決定権を持つクライアントは、創業者の2世であった。感情プラス直感で、ジャッジされるはず、と思い込んだ。

悔しいが、負けは負け。ほかの要素も、当然、原因としては考えられるが、最終的には、勝った広告制作物を検証するのがいちばんの原因究明になる。企画デザインに携わったスタッフ全員と、数ヵ月後、その制作物を前にして現場検証をしてみよう思う。

プレゼンの必勝法なんて、ない。ただ、負けを認め、そこから次の課題を見つけていくこと。それだけが、勝率を上げていくための地道だが確実な唯一の方法なのだ。

コメント

  1. ユング派性格分析で、プレゼンは勝てるか?…

     競合相手がいる企画コンペでは、その都度、勝敗が決する。勝ったときは喜び、負けたときは落ち込む。勝率10割は、まず、ありえない。0割なら、業界から、足を洗うべきだろう。 (more…)

  2. キビノ より:

    はじめまして。
    ユングによると、
    内向感情←→外向思考
    の対立関係になりますが、認識過程的には
    内向感情→外向思考の順に客観視していきます。
    また、ユングによると、
    内向感覚←→外向直観
    の対立関係になりますが、認識過程的には
    内向感覚→外向直観の順にアイデアマンが閃きます。
    さらにユングによると、
    外向感情←→内向思考
    の対立関係ですが、自己実現的には、
    外向感情→内向思考の順に夢へ踏み出します。
    そしてユングによると、
    外向感覚←→内向直観
    の対立関係ですが、自己実現的には、
    外向感覚→内向直観の順に凡人から非凡へと進みます。

    すなわち過程(プロセス)を考えるとユングの性格対立は直線状に並べられるのです。

    内向感情→内向感覚→外向思考→外向直観

    外向感情→外向感覚→内向思考→内向直観

    詳しくは下記を読んでください。
    http://www.geocities.jp/k_kibino/page301.html

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