吉本隆明や梅原猛をあらためて…

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1924年生まれの吉本隆明さんが亡くなった。
よしもとりゅうめいと僕らは呼んでいた。
ナレーションで、たかあきと発音されると、それは正解だけど、
なんか、違う人のことではないかと一瞬、耳を疑った。
大学時代、先輩から強引に進められて「共同幻想論」を読んだ。
それから数冊、読んだけど、内容はもう覚えてないなぁ。
原理的に、物事を考えること。文章そのものに、厳密に対峙すること。
その辺のモワッとしたことを、学んだような気がする。
それと「共同幻想」という言葉はとっても便利で、
言葉が一人歩きして、ビジョンや夢を共有することなら、
どんなことでも共同幻想と呼んで通ぶったりした。
埴谷雄高なんて人も流行っていたなぁ。
ひと言で言うと、小難しいのがブーム。
難解であることそのものが美しい、みたいな。
テレビ特集で晩年の吉本さんが話をしていた。
思想を語る真摯な姿勢は終生かわらず。
この人は結局、詩人なんだなぁ、と思った。

それと前後して、梅原猛さんをテレビで拝見した。
1925年生まれの梅原猛を初めて知ったのは高校時代。
国語の先生に強引に進められて「黄泉の王 私見・高松塚」を読んだ。
これは、わかりやすく、しかも、推理小説のように楽しめた。
しかし、それからは、彼の著作を読むことなく、
日本文化への造詣が深い哲学者という印象しか持っていなかった。
だが、テレビ番組で、彼の語りを聞いて、すごく共感する部分が多かった。
日本人が世界の中である役割を与えられているのではないか。
原爆と原発というふたつを体験したことには意味があるのではないか。
宮沢賢治への深い共鳴とそこから引き出される思想への傾倒は、
まさしく、我が意を得たりという感じで画面に引き込まれた。

最近、仕事が忙しくて、心深くの思いとか、モヤモヤした思想をなおざりにしてきた。
吉本さんの死、梅原さんの健在という事柄にふれて、
また、学生時代のように、思想の本をひもといてみようか、という気になった。

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