海水浴 【rough story 77】

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海は、いつも家族とともにあった。
僕が子供の頃、毎年、夏の恒例行事として、
僕ら家族は、湘南が多かったけど海水浴に出かけた。
でも、僕が中学生になると、それは途絶えた。
それから、しばらく、海水浴の風景が消えた。

やがて僕は結婚して、子供が生まれ、
上の娘が2歳になった頃から、海水浴に出かけた。
夏になると、あたりまえのように、
毎年、ほとんど途切れることなく、
海水浴に出かけるようになった。
でも、下の息子が中学生になる頃、
やはり、その恒例行事は途絶えてしまった。

小学生までは、親の都合で日程が組めるのだが、
中学生になると、彼らの都合というものができる。
だから、海水浴は、子供が小学生である間だけの楽しみ。
子供にとって? 親にとって? いや、どちらにとっても。

まぶしい陽差しのなかで海辺を走り回る子供たち。
遠い日の自分の記憶、自分の子供との黄金の時間。
海水浴の夏は、垂直に立ったまま、まどろんでいる。

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