夢のタネが花を咲かせるためには…

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先日、10年間にわたって関わってきたある団体の顧問職を辞しました。その団体とは、NPO法人 信越トレイルクラブです。小さな夢のタネが大きな軌跡を描いて、花を咲かせる現場に立ち会うことが出来て、とても勉強になり、有意義でした。このNPOは、長野県と新潟県の県境にまたがる総延長80キロのロングトレイルを整備して、今までにないエコツーリズムを実現しようという壮大な目標を掲げました。今はNPO法人ですが、この母体は長野都市経営研究所が主導権を持って、2000年(平成12年)国土交通省「北陸地域の地域づくり戦略」事業の一環として設立した「信越トレッキング委員会」です。事務局を飯山市のなべくら高原森の家に置き、森の家スタッフ数人が事務局員を兼任しました。

信越トレイルは、今までの日本にはなかった環境優先の素晴らしい理念を掲げ、しかも、いくつもの自治体をまたがる壮大なプロジェクト。さらに整備のボランティアをたくさん必要とするなど、具体的なツメの部分でひじょうに手間と時間がかかるものでした。それを何とか実現にまでこぎつけられた要因は、やはり、ありきたりではありますが「人」につきます。元飯山市長であった小山邦武代表理事の人徳とリーダーシップ、世界をまたにかけるバックパッカー加藤則芳理事の強固な理念、ほかにも理事に名を連ねたのは錚々たる面々でした。そして何よりも事業を推進するための原動力となった、森の家の優秀なスタッフたち。僕は、微力ながらも、以前のデザイン会社に在籍していた頃から、広報情報戦略の顧問としてお手伝いをさせていただきました。

10年間、この歳月の長さは、感慨深いものがあります。素敵な人たちとの出会いに感謝の気持ちがいっぱいです。この信越トレイルクラブは、当初の夢の花は咲きましたが、ほんとうの実りを結ぶにはまだ少し時間がかかることでしょう。僕は、顧問からは外れましたが、NPOの会員として、これからも応援していきたいと思っています。

総会が開催された森の家の周囲には、少しだけ雪が残っていました。そして芽吹きを待つブナを見上げ、僕は会場を後にしました。

コメント

  1. 桜吹雪 金太郎 より:

    10年間、おつかれさまでした。信越トレイルクラブのようなNPOの、ローカルで地道な活動こそが、世の中を「変革」するまっとうな原動力となっていくのだと思います。なにやら胡乱なグローバルで派手な「変革」ではなく・・・。

  2. KIKU より:

    そうですね。地道に汗をかく人がいなければ、何も、そこからは生まれません。理念だけではダメ。でも、理念がないとダメ。そのバランスが難しいところです。

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