あらためてスティーブ・ジョブズを振り返る

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Appleのスティーブ・ジョブズCEOが、Fortune誌の「CEO of the Decade(過去10年で最高のCEO)」に選ばれたというニュースを見て、あ、そうだよね、って思いました。一度はアップルから追い出されて、Nextなんていうパソコンをつくったり、ディズニーの個人筆頭株主になったり、スタンフォード大学ですばらしい講演をしたり、とにかく、話題に事欠かない経営者ではあります。

今回は、ジョブズが1997年にAppleに復帰した後、2001年にiPodをリリースし、2003年にiTunes Storeで楽曲販売を開始し、2007年にiPhoneを送り出し、Appleの業績を立て直したということが評価されたようです。たしかに、めまぐるしく、ヒットをかっ飛ばした10年間です。

僕がジョブズの名前を知ったのは、Macintosh IIの時代。すごく高いパソコンだけど、グラフィックデザインとの親和性が高く、好奇心の強い20代の僕は、当時、このマシンを使ってデザインを始めた事務所に出向き、いろいろ話を聞きました。まだまだ日本語環境が不十分でそのデザイナーは海外向けのパンフをつくっていました。友人が外資系のCI会社に入り、そこでもマックが主要なツールとなっており、もはや時代の気分がそちら向きで日本語環境もすぐに整うだろうな、と。

その後、Macintoshはあっという間に、デザイン業界を席捲することになります。コピーライターとしては、SE30という機種が好きで、当時、会社に買ってもらいました。やはり、個人で買うには高価でしたからね。広告業界では、特にグラフィック系の平面媒体では、もはやMacintoshがスタンダードとなり、デザイン、製版、印刷のプロセスすべてにわたって、このAppleマークに制覇されています。SE30というマックが好きで、身近にもマックがあふれていて、それでも、僕自身の主要マシンはマックにはなりませんでした。サブマシンとしては、いちおう抑えてはあるのですが、毎日使うパソコンにはなっていません。なぜか?

僕のPC歴は、東芝のワープロからNEC98、東芝ダイナブックを経て、IBMのThinkPadという流れ。PCはあくまでも書くための文房具なんですね。僕は、マックというパソコンから、そんな文房具という地位に甘んじていられるか、という無言の圧力を感じます(笑)。マックに名前をつけて呼ぶのが一時期流行しましたが、そんなキャラクターを主張するマシンなんです。実際に操作しても、おちゃめな爆弾マークや音なんか、かわいいと思わせる何かがあって、さらにOS(オペレーションシステム)の動きをブラックボックス化して、ここは内緒だよ、と秘密主義のところもなんか人間的なんですよね。それを、愛おしいと思うか?それとも、生意気と思うか?この辺がマックに惚れ込めるかどうかの分かれ目のような気がします。

僕自身は、OSがMS-DOSの頃のパソコンがいちばん好きだったりします。なんか、自分の言うことを聞いて動いてくれるという感じがしました。制御している感覚。マックは、ちょっと生意気な奴で、なかなか言うことを聞いてくれない。制御されたくないよって、そうですね、猫的なパソコンなのかも知れません。いま僕は忠実な犬的なパソコンを愛用してますが、そのうち、趣味が変わって、魅力的でセクシーな猫的なパソコンに入れ込むようになるかもですが…。

冒頭の話から、かなり脱線してしまいました。ここ10年間、彼のヒット商品は、どれも、共通してチャーミングなものばかりだと思います。ヒューマンインターフェイスに優れ、便利さよりも愉しむことに主眼を置いています。パソコンづくりから伝統の、感性にアピールするものづくりですよね。これ、大事なポイント。今更ながら、ジョブズってその感性を持ち続けているのが凄いな、と。ただ、僕的には猫的なiPhoneよりも犬的なBlackBerry Boldのほうが気になっていますけれど…。

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