そう言えば、小林秀雄のランボーを読んでいない

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ランボーの詩集のタイトル「地獄の一季節」に僕はまず惹かれたのですね。高橋彦明訳のランボー詩集は、三笠書房1970年12月31日発行のもの。冒頭の扉ページにヨーロッパのどこかの風景写真がカラーで4ページ分、そこにランボーの詩が抜粋で載っています。

見つかった!
何が? 永遠だ。
太陽に溶けた
     海だ。

おれの永遠の魂よ、
おまえの願いを守るんだ。
孤独の夜も
燃える昼も。

そしたらおまえは自由になれる、
人間どもの同意からも!
世に共通の衝動からも!
思いのままに飛んでいくんだ…

ランボー全集の金子光晴訳では、これが全く違います。

また見つかったぞ!
何がさ? 永遠がさ。
それは太陽に混ぜ合わさった
      海なのさ。

それが何なのさ、と突っ込みたくなるような…ちょっと、僕としてはイメージが途切れてしまいます。高橋訳のほうが素直な現代語ですんなりと頭に入ってきました。
ほかにも粟津則雄氏、宇佐美 斉 氏、平井啓之氏など、気になる翻訳者がいて、読み比べはしていないのですが、やはり、まずは、あの小林秀雄の訳を読まなくてはね。というわけで、アマゾン(中古)で岩波文庫版のランボー詩集があったのでオーダーしてしまいました。
海外の詩は、原文で読まなければ、その真髄のところはわからないのでしょうが、まぁ、訳を楽しむのも楽しみ方のひとつ。小林訳が届くのがいまから待ち遠しいです。

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