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カラマーゾフの兄弟が売れている
By KIKU | 10 月 22, 2007
ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」が新訳になって売れているそうだ。
僕は、高校時代にドストエフスキーを夢中になって読んだ。定番の「罪と罰」から始まり、「未成年」「貧しき人々」「白痴」、そして「カラマーゾフの兄弟」を新潮文庫で読んだ。
日本の私小説がひとりの視点に執着するのに比べて、このロシア人は、さまざまな個性豊かな人物の脳髄にぐいぐいと分け入って、多彩な視点を描き出してくれた。すげえ、イマジネーションだな、と思った。人間を描き出す、いわゆる純文学の頂点。もう、これ以上、純文学にできることはないんじゃないか、とさえ若い僕は思い込み、それ以降、小説はSFとか娯楽小説に走ったのだ。いいじゃん、時間つぶしができればって。
ドストエフスキーの小説で僕が最も感動したのは「白痴」だった。ただ、ドストエフスキー全般に言えるのだが、彼の思想の根底にあるのがキリスト教、ロシア正教である。ドストエフスキーを理解するために、まず新訳聖書を読んだ。聖書に関する入門書をいくつか読んだ。それでも、キリスト教は、なかなか理解できない。イエスの考え方は、ナイスだ。でも、キリスト教がわからない。遠藤周作を読んでも、日本人がキリスト教を受容するためには、マリア信仰が鍵になりそうだ、とは思っても、理解できない。そこが、僕とドストエフスキーとの間に立ちふさがる壁であった。
「カラマーゾフの兄弟」というのは長い小説だから、読むのはシンドイはずだが、その新訳が十代の若者にも読まれている。若者が読書をしなくなったと叫ばれてから久しいのに、いま、このような流れがあるのは、なぜだろうか?
30年以上前に十代の僕が夢中になった「おもしろさ」と、現代の若者が感じる「おもしろさ」は同じなのだろうか? この新訳を読んでみれば、何か、時代のヒントがつかめるかも知れないと思った。それに、あの小林秀雄も、ドストエフスキーは50歳になってから、読み返しなさい、と。自分自身への発見もあるかも知れない。
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Topics: スピリチュアル |
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