くえない奴、中国を笑えるかな?

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中国の農場を取材したテレビ番組を見た。
ぶどうに農薬がたっぷり噴霧され、
その白い液体がどろどろに滴り落ちている。
農園から出る水がピンク色に染まっている。
ある農薬販売店をレポーターが取材して、
禁止された農薬を売っているかと問うと、
そこの店員が開き直ってこう答えた。
「農薬を使っていない野菜なんてないよ。
 みんな金儲けのことばかり考えているからね」
したたかに生きてるなぁ、中国大陸の人々。
使用が許可されている農薬は、効き目が薄く、値段が高い。
禁止されている農薬は、効き目が高く、値段が安い。
効率だけを追求すれば、そりゃ、後者でしょう。
ただ、ここに人体に及ぼす悪影響という
ファクターを加えて考えると、
もちろん解答は正反対になる。
こんな農薬漬けの果物や野菜でも、
買う人がいっぱいいるから、
「儲かる」という理由で育てる。
買う人がいる。ここがポイントだ。
そんな食品を買うのは、誰だ?

日本は、ようやく、無農薬とか有機野菜とか、
そういうオーガニックな方向への関心が高まってきた。
でも、まだそれがスタンダードにはなっていない。
スーパーに行けば、安売りのものから売れていき、
オーガニックな商品は高額なため売れ残っている。
オーガニックは、お金持ちが買う商品なのだ。
かたや中国の富裕層は、
農薬の管理が行き届いた日本の食品を買っているらしい。

戦後の日本は、工場排水による公害訴訟や
食品添加物などの問題を引き起こしながら、
未曾有の高度成長を遂げてきた。
もっと良い暮らしがしたい、と、
がむしゃらに働いてきた日本人の姿と
現在の中国の姿がだぶって見える。

僕たちが、中国って、ちょっと野蛮だな、
と感じるとしたら、それは、
西洋人が、戦後の日本人を
エコノミックアニマルと呼んだときの感覚に近いだろう。

北京オリンピックが来年開催される。
高度成長の真っ只中、1964年に開催された
東京オリンピックのイメージとこれも重なってくる。
43年前の日本、そのとき築き上げたもの、
それから進化していったもの、忘れ去ったもの。
生活は、一見、豊かになったように見えるけど…

きっと、まだ日本は貧しいんだろう。
いろいろな意味で、きっと、貧しいんだと思う。

中国の農業は誉められたものじゃないけれど、
それをどのようにしていくか、アジアの課題として、
食糧問題を考えていく政治家が登場してほしいな。
なんてことを、つらつら思ったりした。

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